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これを施すには、一度に必要本数のすべてを処理するのではなく、徐々に増やしていくので、周囲の人たちからも、さも自分の髪が甦ったようなイメージで、不自然さはどこにも見当たらない。この巨細胞が、そこら中にできて、頭皮は激しく凸凹を作り、人工毛を植え付けられた頭は、異様な様相を呈するようになる。ここで、少しだけ考えて欲しいが、この方法をくり返して行うとすれば、側頭部・後頭部の髪をなくすことになってしまうのである。
シャンプーやブラッシングなどで毛根が受ける抵抗は、結びつけた本数の倍増となってさらに抜け毛、脱毛を促進する。つまり、脱毛に悩みながらも自分の髪にこだわりを捨てきれないような人たちを集めて発毛・育毛をすすめ、一定期間発毛・育毛のための商品や技術サービスを売りつけるのである。これを現代医学の対処療法的な発想で解決しようとすること自体に問題がある。そのような人たちがそれでも髪のことを忘れ、ほぼ日常の生活を営むためにカツラの果たす役割は大きいといえる。さらに耐久性に関していえば、長期間の使用に耐えることは無理であって、多くの場合一〜二年で作り変えるという。また、自分の頭髪ほど頻繁には洗わないので、不潔にもなりやすい。さらに頭皮を圧迫し、脱毛部位を拡大する。また、着用した直後なら、きちんと定位置におさまっていても、時間の経過とともに、だんだんずれてくることもままある。もしもカツラメーカーで、発毛や育毛が成功できうるのであれば、カツラも増毛も何ら必要ないことになってしまうのである。人間の細胞は、自らの体を構成する細胞以外のものすべてを異物、あるいは敵、おるいは不要のものとみなし、これを攻撃し、排除しようとする。つまり、頭皮に突き刺された人工毛などは、どんなに精緻に作られたとしても、瞬時に異物であることを察知する。しかし、その反面、カツラ着用の際につきまとう不都合さがある。
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