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だが女性の場合、そうはいかない。カツラメーカーはまだ脱毛部位が小さなうちから部分カツラを着用すれば、周囲の人に気付かれずに済むからといって部分カツラの早期着用をすすめている。日常の手入れも、シャンプーやブラッシング、ヘアドライヤーなどの使用が可能となっていて、もちろん、雨や風、さらに通常のスポーツにも差し支えないという。この抜けにくくなった人工毛を、それでも何とかこれを排除しようとする皮膚細胞は、自らの細胞を巨大に成長させ、これをテコに人工毛を押し出そうと試みる。このとき巨大化した細胞を巨細胞と呼ぶ。さらに、この方法が対応できるのは、男性型脱毛症のタイプで側頭部および後頭部に十分な量の毛髪を残していることが条件となる。
毛根が弱り、固着力も低下しつつある残り少ない髪に、人工毛を数本結びつければ、その大きな負担によって抜け毛をさらに促進してしまうことは避けられない。これは自分の髪に徹底してこだわる人にもカツラを売るための方法であろう。しかし、脱毛症の多くは慢性的な病に類するものである。全頭脱毛とはいかないまでも一見してわかるような脱毛であれば、そのままで街中を往来することさえ、はばかれるのである。しかし、この部分カツラは当人の髪と同様なものを調整し、個別にオーダーするという理由のもとに、価格はそう安くないのである。一度でもカツラを使った人なら経験することだが、どんなに精巧で高価なカツラでも、長時間つけていると蒸れてくる。人工毛と頭皮の間に雑菌が繁殖し、化膿する。あるいは、突き刺され傷ついた部位が完治せず、ジクジクと出血し、稀には炎症する。通常、我々は、植えるといえば、そこにしっかりと根を下ろし、たくましく繁茂することを思い浮かべる。しかし、この人工毛は、頭皮に人工毛を突き刺しただけというような代物なのである。
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